文化への考え方

2015.07.08 水曜日 0:33

4月のフランス旅行の話をもう少ししたいと思う。 
 
旅行の終盤、マルセイユとニースの中間あたりにあるル・トロネ修道院に行ってきた。12世紀に建設され、ル・コルビュジエがラ・トゥーレット修道院を設計する際に参考にしたと言われている、歴史的にも重要な建物だ。TGVが停まる駅からタクシーで1時間。 
 
礼拝堂は、構造性質的に大きく開口がとれないが、その少ない窓を計算された位置に配され、余計な装飾もなく、美しく緊張感のある空間だ。ちょうど修道士が歌っていることに立ち会えたが幻想的な歌声に聞こえ音響も素晴らしい。 
 
よく見ると壁の一部にフレスコ画が残っている。現状の石積がむき出しでもきれいだが、壁一面にフレスコ画が広がっていた建設当時の姿も美しかっただろう。 
 
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そんな修道院で少々驚いたのが、この文化的に重要な建物内にこどもたちの元気な声が聞こえてくることだ。修道院の一室を教室に改装して、歴史的建築の意味や構造をこどもたちに教育してる。アーチの作り方を教えるおもちゃが置いてあった。小さいころから高度なデザインを知ることができるのだ。 
 
次の日に、シャガール美術館に立ち寄った。私が知る日本の美術館とは雰囲気が違っていて、絵の前に数十人のこどもたちを座らせて先生が解説をしている。おそらく近所の小学校の授業を行っているのだろう。別の展示室では親子が絵の前に座って絵について話し合っている。 
 
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こどものころから身近に質の高い文化があふれ、いつでも触れられる環境にあるようだ。でも、母親も絵について語れないといけない。それも大変かも。

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