このブログでは完全に個人的な趣味の日記も記録として書くつもりだ。よって、たまたま読んで下さった方には迷惑になるかもしれない。
さて、正月休み最終日に頭の体操とばかりに絵画鑑賞に行った。国立西洋美術館のホドラー展が目的だ。ダイナミックなタッチと色使いが独特でとても勉強になった。詳しい評論は専門家に任せるとして、もっとも印象に残った絵を紹介する。
「バラの中の死したヴァランティーヌ・ゴテ=ダレル」
ホドラーより20歳年下の妻が癌になり(病床中に出産もした)、若くして亡くなった亡骸を描いた絵である。一般的に人物を描く時は、喜怒哀楽などその瞬間の感情を描く、つまりあくまで生きている前提だが、ホドラーは死んでいる人、しかも最愛の妻を描いたのだ。
死者というモチーフを目の前にして絵を描く、そのときのシチュエーションは想像を絶する。しかも癌発症から日々衰えていく様を克明にスケッチしているのだ。そんなに大きな絵ではないのだが、圧倒的な存在感と説得力。鑑賞者のただただ絵の前で立ち尽くすのみ。
何かを表現し人のこころを動かすためには、命がけで取り組まなければならないということか。
私による模写
気をとりなおして常設展へ。常設展は撮影可能だ。コルビュジェ建築を楽しみながらグルグル回った。中庭など立ち入り禁止エリアが多いのが残念。コルビュジェの絵も展示されている。自分が設計した美術館に自分の絵が飾れれる、そんな作家も珍しいだろう。
そんな正月休みだった。
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