団地再生を見学

2010.10.26 火曜日 0:14

外観
内観
梁の鉄筋
当時の内観

先日、ひばりが丘団地(東京都東久留米市)の団地再生の実証実験を見学した。昭和35年に建てられた解体予定の建物3棟を利用し、改修再利用の方法を模索する試みである。

駆体に手を加えないで内装のみの改修で高齢者向けの住戸に再利用したり、片廊下を新設してエレベーターを設置する試みや、最上階を解体し減築することにより耐震改修を行うなど、色々なアイディアが盛込まれていた。

特に興味深かったのは、駆体をドラスティックに手を加えた工法。既存計画は床から梁下まで1,800程度しかなく現代の人間モデュールには合わない。また、当時の鉄筋コンクリートは異形鉄筋ではなく丸鋼を使っているなど耐震強度が現在の基準には適合していない。そこでそれらの梁を撤去し新たに梁を取付けたり、梁レスのスラブを設置している。それだけでは強度が補いきれない場合は外部にRCの控え壁を設置している。そこまですると新築とあまり手間が変らないように思い、問い合せると新築に比べ1割程度しか予算削減にならないようで、将来的な目標さえも2割削減だそうだ。あくまで実験ということでここは新たなアイディアを創造した投資ということで仕方ないかと思うが、少々実用化には越えるべきハードルはあるようだ。

確かにアイディアはたくさん詰っていて色々と勉強になった。改修に比較という意味で昭和35年当時の部屋が残っていたが、外部に面したサッシュは鉄製と木製が混在し、当時としては最先端のステンレスシステムキッチンがあった。私のとってはとても新鮮で当時のデザインレベルの高さにも驚かされる。もしかすると現在の既製品の方がデザインレベルは後退しているかもしれない。

というわけでとても楽しい見学になった。
今年いっぱいは見学できるので興味がある方は是非。

http://www.ur-net.go.jp/rd/rn1/stock/

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